総合診療医

【福司山先生の連載ブログ】脳卒中について

総合診療医の福司山先生による連載ブログコーナー

【第3回目】脳卒中について

脳卒中は、脳の血管に問題が起こり、脳の一部が正常に働かなくなる病気です。

脳卒中は日本人の死因の第4位(1位:がん、2位:心疾患、3位:老衰)で、寝たきりや介護が必要になる主な病気の一つでもあります。ここでは脳卒中の原因、症状、予防法、そして万が一の対処法についてお話しします。

【種類】

脳卒中には主に2つの種類があります。

  • 脳梗塞  脳の血管が詰まって血液が届かなくなるタイプです。動脈硬化や血栓(血の塊)が原因となることが多いです。
  • 脳出血 血管が破れて脳内で出血が起きるタイプです。高血圧が主な原因です。 これらの他に、くも膜下出血と呼ばれるタイプもあり、これは脳を包む膜の間で出血が起こります。

 

【症状】

脳卒中の症状は突然現れます。例えば、

・片側の手や足が突然動かなくなる、または力が入らなくなる

・顔の片側が垂れ下がる

・話しづらくなる、言葉が出にくくなる

・視野が狭くなる、または片側が見えなくなる

・強い頭痛やめまい、吐き気が出現する

以上のような症状があれば、すぐに医療機関に連絡してください。

 

【予防】

脳卒中は生活習慣を見直すことで予防できる可能性があります。以下の点を心がけましょう。

・血圧をコントロールする

高血圧は脳卒中の最大のリスクです。塩分を控え、適度な運動を心がけましょう。

・健康的な食生活をする

野菜や果物を積極的に摂り、脂っこいものや加工食品を控えましょう。

・禁煙・節酒をする

喫煙や過度な飲酒は血管に負担をかけます。

 ・定期的に健康診断を受ける

血圧、血糖値、コレステロール値を確認し、異常があれば早めに対処しましょう。

 

【脳卒中が疑われたときの対処法】

「FAST(ファスト)」とは、 “脳卒中の疑いがあれば、すぐに病院にきてほしい”という願いを込めた言葉です。脳卒中の可能性が高いと考えられる初期症状を示しています。

 

F (Face): 顔の左右差はないか?

A (Arm): 両腕を持ち上げて片方が下がらないか?

S (Speech): 話すことに異常はないか?

T (Time): 一刻も早く救急車を呼びましょう! 脳卒中は時間との勝負です。発症から治療開始までの時間が短いほど後遺症を軽減できる可能性が高まります。

最後に 脳卒中は誰にでも起こりうる病気ですが、予防と早期対応でリスクを大きく減らすことができます。日頃から健康的な生活を心がけ、もしもの時にはすぐに行動することが大切です。あなたや大切な人の命を守るため、脳卒中について知識を深めましょう。