総合診療医

総合診療医って何しているの?

総合診療医の福司山先生による連載ブログコーナー

【第1回目】総合診療医って何しているの?

初めまして。私は熊本県甲佐町にある谷田病院に勤務しており、体調不良や怪我をした方々に総合診療を提供しています。さて、「総合診療医」という言葉を聞かれたことはありますか。今回は記念すべき第一回目ですので、総合診療医がどのような役割をしているかお話していきます。

 

  • 「なんでも診れる医師」

総合診療医は日常的によく見られる、様々な病気や怪我に対して、適切に初期対応を行い、その後も継続した医療を提供しております。循環器内科、消化器内科、小児科、整形外科、産婦人科などの領域別専門医は病気の「深さ」が長所である事に対して、総合診療医は「扱う問題の広さと多様性」が長所になります。

また、総合診療医は病気の治療だけではなく、病気に罹らないための予防医療から救急医療、精神の問題、新興感染症、災害医療などの幅広い分野にも取り組んでいます。

 

  • 「患者さんを総合的に診る」

 患者さんの病気を治療するだけではなく、「病を抱えている人」として患者さんを捉え、 それぞれの生活環境や家族関係、経済状況、精神面など、その人が抱えている様々な背景を考慮しながら方針を立てます。看護師や薬剤師、リハビリ、栄養科、医療ソーシャルワーカーなどの様々な職種と共に話し合い、地域の医療・福祉サービス等とどのように連携すべきか、患者さんとご家族にとって最善の方法は何かを模索していきます。

 

  • 「地域の健康を支援する」

 健康は個人の生活習慣のみならず、地域のつながりも影響を及ぼしていると言われております。それぞれの地域の立地や歴史、人口、特産物、天候、病気などの特性を考えながら、多職種連携、在宅医療、緩和ケア、予防医療を通じ、地域全体の健康向上に取り組んでいます。住民の皆様が健康で安全に生活できるように、健康づくりをしやすい環境、人と人の繋がりへの支援を行います。

 

「どこの科を受診したらいいか分からない。」、「たくさん病気があるから、いろんな病院に通院するのが大変。」、「住んでいる地域の医療サービスをもっと知りたい、利用したい。」等の色々な悩みに応えるべく、私たち総合診療医は存在しています。悩みは抱え込まず、気軽に私たちにご相談ください。