総合診療医
【福司山先生の連載ブログ】帯状疱疹について
総合診療医の福司山先生による連載ブログコーナー
【第2回目】帯状疱疹について
近日、帯状疱疹のワクチン接種を受ける方が増加してきました。そこで今回は帯状疱疹とはどのような病気なのか、予防する方法について解説していきます。
帯状疱疹は痛みを伴う皮膚の病気で、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされます。このウイルスは、子供の頃に水ぼうそう(水痘)として感染するウイルスと同じです。水ぼうそうが治った後も、ウイルスは神経細胞の中に潜んでおり、通常は免疫システムがウイルスを抑え込んでいるため、問題は起こりませんが、免疫力が低下した時に再び活性化し、帯状疱疹として症状が現れます。
【症状】
最初の症状は体のだるさや発熱などの全身症状が現れることがあります。その後、身体の片側(まれに両側)に強い痛みや痒みを出現し、数日後にその部の皮膚に発赤や水ぶくれが帯状に見られます。主に胸や背中、顔、腕、腰などの神経の走行に沿った部位に集中します。
皮疹は数週間かけて、かさぶたを形成し、治癒しますが、痛みや痺れが数カ月~数年続く「帯状疱疹後神経痛」を合併することがあります。
【発症の原因とリスク】
主に免疫力の低下が大きく関与しています。加齢は最も一般的なリスクであり、50歳を超えると帯状疱疹の発症リスクが急激に高まります。また、ストレス、過労、栄養不良、免疫抑制剤の使用も免疫力を低下させ、帯状疱疹を引き起こしやすくします。若い人でも、これらのリスク要因が重なると発症することがあります。
【治療法】
治療としては抗ウイルス薬が使われます。抗ウイルス薬は発症後72時間以内に開始するのが理想であり、症状の軽減と帯状疱疹後神経痛が合併するリスクが減少します。痛みに対しては一般的な鎮痛薬が用いられますが、痛みが強いときは内服薬の追加や神経ブロック注射を行います。
【予防】
まずはバランス取れた食事や十分な睡眠と運動、ストレスの管理を行い、免疫力を高めましょう。帯状疱疹ワクチンを接種することで予防が可能です。ワクチンは発症リスクを減少させ、たとえ発症した場合でも重症化を防ぐ効果が期待できます。現在、日本には「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2種類が存在します。どちらのワクチンを選ぶかは、効果や副作用、注射回数、費用などについて医師と相談し、選択すると良いでしょう。
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